熟年離婚 奮闘記「第6話 離婚の原因」最終章 ~夫婦生活・性的不一致~

夫婦生活

前回、離婚の原因を3回に分けてお伝えしました。

離婚に至った要因である、もう一つの決定的な出来事をお話ししたいと思います。

結論から言うと、

「夫婦生活」の問題

「性的不一致」の問題

これらが最終的に離婚に踏み切るものだったと思います。

元夫からの最後の言葉は、

「夫婦生活がなければ夫婦とは言えないんだよ!」

これが最後のお別れの言葉でした。

長い結婚生活の中で、元夫への愛情のような特別な感情は、早い段階で既に無くなっていました。

日常の態度だったり、子供たちへの父親としての在り方など、 疑問に思う事が多々ありました。

「世界は自分を中心に回っているんだ!」

「俺が黒と言ったら黒なんだ!」

こんな事を元夫は堂々と公言する程の人でした。

都合の悪い事や気に入らない事があると無視は当たり前、お決まりのドンバン攻撃が始まります。

これらは我慢できますが、私が一番苦手としていたのは「夫婦生活」なのです。

元夫は性欲が強いのだと思います。

一方で私はというと人並みだと思うのですが、正直その事は後回しにしたかったのです。

当時はその時間を睡眠に費やしたい状態でしたから。

正社員でフルタイムで働き、家事育児一切の家事はワンオペでした。

毎日毎日疲れはて、家事の最中には膝から崩れ落ちるような感覚。

この地獄はいつまで続くのであろうかと、趣味を謳歌している夫を横目に、悔しくてたまりませんでした。

全ての用事を終え、入浴の時間も惜しいのでお風呂はシャワーだけで済ます毎日。

やっと自室の2階へ。

愛猫たちが階段の最上階で待っている。

涙がこぼれる。

ずっと待っていた愛猫を抱きしめる。

「待たせてごめんね。」

愛猫は元夫を恐れていたので、何時間も同じ場所でひたすら私を待ち、無事に2階に来たことを喜んでくれるのです。

猫にもわかるのです。

危害を与える人と、安心できる人が。

ベッドに崩れ落ちる。

愛猫も側に。

早朝に作るお弁当作りの段取りを考えながら眠りに着く。

また今日も数時間しか眠れない。

しばらくすると、足音と共に暗闇から人影が現れる。

愛猫が逃げて行く。

「あぁ、またか…」

人影が私の前でとまる。

声もかけず無理やり布団をはがされる。

何も言わず腕を引っ張る。

「疲れてるの」

「疲れてるじゃねーんだよ!」

お決まりの流れ。

私の意思は?

私の体調は?

気にしてくれないの?

私は性欲処理機なの?

一方的で自分勝手な行為。

妻への同意も配慮も労りもない性欲丸出しの身勝手な行為。

妻の都合はおかまいなし。

私はそれが嫌でたまりませんでした。

ある日、強く拒否して言い合いになった末にこんな事を言われました。

「週一なんてあり得ない!」

「2日に一回だって少ないくらいだ!」

もう、うんざりでした。

元夫の父(義父)には、こんな呆れた事を言われた事があります。

「息子のイライラは欲求不満だと思う、君は仕事で疲れているだろうから、マグロで構わないのだからね」

「えっ? 今何と?」

耳を疑いました。

義父からこんな事を言われるとは。

近年のお母さん(女性)の仕事に終わりはありません。

共働きなら尚更、家事は分担しなければいけないと思うのです。

昭和の時代の、男は仕事、女は家を守るそんな時代ではないのです。

共働きでないと生活出来ない時代になってしまったのです。

だから仕事と家事を頑張る妻に感謝しなければいけません。

対等に働き、妻だけのワンオペでは夫に尽くすことなど出来ません。

フルタイムの仕事を終え、買い物、洗濯、料理、子供の事、ペットの世話…

洗濯は、洗濯機に服を入れれば終わりではないのです。

干すには今干してあるものを畳まなくては次が干せません。

料理だって献立を考え、家族分を作ります。

調理道具の使用後の洗い物もあります。

食事後の家族分の食器だって沢山です。

明朝のお弁当の仕込みもあります。

仕事でヘトヘトでも、帰宅して座る暇なく家族のために動きます。

ワンオペで辛いと訴えた事がありますが、

「よその嫁はやれるのに何で?」

こんな風に言われたら身も蓋もない。

こうなったら意地です。

悔しさをバネに毎日毎日、全てをひとりでやり遂げて来ました。

そして身勝手な行動の果てに、妊娠し中絶をしなければなりませんでした。

浪費癖がある元夫でしたから、出産できる程の金銭的余裕が無かったのです。

避妊に非協力的な人でしたから、この時期から黙ってピルを服用するようになりました。

次の妊娠は絶対にあってはならないのです。

産んであげる事が出来ず、天国に旅立たなければならなかった赤ちゃんに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

結婚前のお付き合いの段階から、 性的異常はありました。

何度も何度も。

長時間。

疲労を通り越して苦痛でしかありません。

腰は砕けたように感じ、股関節が外れる感覚。

がに股で歩く。

当初は若い男性だから仕方がないと思っていました。

しかし年齢を重ねても少しも変わらなかったのです。

頻繁訪れる要求を拒めば短気の始まりです。

だから仕方なくです。

怒らせると面倒だから我慢します。

そんな時、心の中でずっと唱え続けます。

「早く早く終わってほしい」

顔をそむけながら願う。

顔を背け気持ちが入っていないのに気付かれ機嫌を損ねる。

そしてまた物に当たる。

この様な事が続くと、 嫌悪感や恐怖心から性交をしたくない状態になります。

次第にその行為自体に不快を感じる様になりました。

元夫との、お付き合いと結婚生活の期間を合わせ、 とても長い時間を共にしました。

その行為で得たもの、良かったという事が一度もありません。

いわゆる「女の悦び」と言うのでしょうか。

それがどんなものなのか私にはわかりません。

その行為は上手いとか下手とかテクニックだとか、そんな大それた事ではなくて、

お互いに、おもいやりだと思うのです。

優しくされれば応えます。

優しくされるだけでも感じる事が出来ると思います。

ちょっとした気遣いの言葉や声掛け。

女性がどうして欲しいのか要求を言える雰囲気を与えてほしい。

弱い女性を労わってほしい。

決して激しくする必要は無いのです。

男性は勘違いしているかもしれないけれど、 いわゆるビデオの様な世界を演じなくたって良いのです。

むしろその正反対。

質とか量とかを求める女性ばかりでは無い事を理解してほしい。

一方的な態度では女性の気持ちは離れていきます。

受け身である女性を一人の人間として扱い、口に出さなくても日頃の感謝を伝えて欲しい。

例え夫婦であってもです。

親しき仲にも礼儀ありです。

こんなふうになれたら…
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