熟年離婚奮闘記「第2話 賃貸か購入か」

離婚編

離婚をするのに初めにしなければならない事、それは新しく住む家の確保でした。

離婚するにしても、夫にいつ追い出されようとも、出て行く家が無ければお話にならない。

「離婚して実家に戻る」

これが定番かもしれないが、私の場合は実家に戻る事は不可能でした。

実家は極狭なうえ、実父と実兄の2人が生活していて、私達3人が居候できるスペースはありません。

一番に頼りたいと思う実母は既に他界し、実家は男所帯となっている。

実父は老いてはいるが元気で、まだ一緒に暮らす程ではないからと同居を拒んでいる。

なので最初から、助けを求める為に実家に帰るという選択肢が自分には与えられていなかった。

だから自分の力だけで、住みかを何とかしなければなりませんでした。



家を購入にした理由

なぜ賃貸ではなく、購入にしたのか。

女手一つで住宅ローンの返済など大変だからと、親をはじめ回りからの反対意見が少なからずありました。

しかし私の意思は固く、貫いた理由の一つとしてこんな思いがあります。

住宅ローンの名義人である自分が死亡したら、団信で住宅ローンを完済でき、負債を残さず子供に家を残せると考えていたからです。

もし団信に無加入の契約や、賃貸だったとしたら、私の死後は子供たちに家賃や生活費などの負担をかける事になります。

子供は社会人なので生活費は大丈夫だとしても、住宅ローンの引継ぎもしくは賃貸契約の家賃などを、子供に押し付けるのは親として申し訳がない。

大切な家族を守る為、残される家族に迷惑が掛からないようにと、安心して家に住み続けられるよう、保障がある購入を選択しました。

この年齢から住宅ローンを新規に組むのは重荷ですが、賃貸でも家賃支出があるのには変わりありません。

あくまでも私の場合ですが、どうせ支払いが発生するのなら、保障を付けて購入が良いのではないかと考えていました。



私が思い描く理想の人生設計

離婚をしたからこそ気付いた事や、離婚をしなければ気付けなかった事、離婚をしてからやっと無能すぎる自分に気付きました。

人生半分も生きて、本当に無駄な時間を過ごし、後悔や反省する事ばかり。

今頃やっと、こんな年齢(50代)になって遅すぎますが、何となく色んな事が理解出来るようになった気がします。

「私の理想の人生設計」

土地付き戸建て住宅を20代で購入し、住宅ローンを最大年数で月々の支払い金額を最小額で組み、ボーナス併用はしない。
住宅ローンは金利が低く資金を借りる事が出来る上に、購入から最長13年のローン減税もありローン残金の1割が戻るので、毎年の固定資産税に充てる事が出来たり、利子に組み込まれている団信という仕組みのおかげで名義人死亡の際には残金の返済が無くなるので、無理に住宅の一括購入や、無理な繰り上げ返済の必要が無いように思う。
若い時は収入が少ないので、月々の住宅ローンの支払いが安ければ助かり、少しずつの貯蓄も可能かと。
ボーナスは全額貯蓄か株で運用する。
銀行に預けるだけでは利息が低すぎて増えないし、積立株で堅実に運用する。
そして50才前後で住宅ローンを完済。
結婚していて子供が居たら、義務教育後からは教育資金も多額に必要になってくる。
この時点で住宅ローンが終了出来ていれば、これまで支払っていたローンの部分を教育資金に充てられる。
子供が独立し、定年を迎える頃には、家の修繕や建て替え、リフォームや住み替え等々、老朽化した家にお金が掛かる頃なので、退職金や貯蓄を家に回すことが出来ます。
この時点でもう土地は自分の所有なので、建物にしかお金は掛かりません。
老後は平屋で十分ですし、平屋なら多少は安く建築が可能かと思います。
子供が独立し、家を建て替えた後、家の修繕は当分必要ないと思います。
全てやりきったこの時点で、貯蓄の残りに余裕があれば、少ない年金の補てんになり、老後を少しでも安心して生きる事が出来ます。
贅沢をしなければ、一生労働者として生きなくても良いかもしれません。

こんな風に生きられたら幸せです。

気付くのに30年もの月日を費やしてしまいました。

若い頃から社会に関心を持ち、お金の勉強をして賢く生きていたら、このプランは実現可能だったかも知れないし、今の自分の人生とは大きく違っていた事でしょう。

結果情けない事に、今の私の年齢や経済力、資産状況からして、新築の購入は難しいので、中古のマンションを購入する事しか出来ませんでした。

この結果が私の人生を物語っています。

それでも、住宅ローンを組めた事に感謝、自分に何かあった時に何よりも子供達に負債を残さず家を残せるという点は、家を購入して良かった事と思います。

自然には色んな表情があり美しい
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